以前から指摘されてきたことですが、マタニティマークを巡る問題がおかしいです。マタニティマークをつけて電車に乗ると周囲の反感を買い、暴言や暴力の対象になってしまうというのです。
中には故意に蹴られたり、お腹を押されたりと傷害事件さながらの経験をされた方もいるようです。
なんだかおかしいマタニティマークについて考えてみたいと思います。
マタニティマークに反発する人の意見
朝日新聞デジタルがYahooニュースに掲載した記事『マタニティーマーク10年、世間の反感に自粛する妊婦も』では、マタニティマークをつけることの怖さと、反感を持つ人達の意見を伝えています。
反発する人の意見としては、「妊娠は病気じゃないのに特別扱いはおかしい」「電車に乗るべきじゃない」「なぜ妊婦を優遇するのか」など、あたかも、妊娠している女性は、自分の意志で子供を持つことを決めたのだから、自分で責任を取ればよい。自分には関係ない、他の人に迷惑はかけるな!と言っているような意見が目立ちます。
個人と社会のつながりの意識がない人々
そもそも、「妊婦を特別扱いするのはおかしい」という意見自体、なんだかズレているように感じますが、感情論抜きにして合理的に考えても、その主張はおかしいことが分かります。
新しい生命を誕生させ、いずれ社会の一員として迎えるための準備が「子育て」といえるでしょう。子供を作ることは、家族を迎えるだけでなく、社会という一つのコミュニティの中にメンバーを増やす行為に他なりません。
どの家庭の子供でも、平等に社会から祝福され、そしてゆくゆくは、労働、消費など社会活動をはじめます。もちろん、結婚し新たなメンバーを創造する大切なチームメンバーの一人なのです。
ですから、妊娠をすることは特別です。特別ではない、優遇されるべきではない!などの主張をする人は、巡り巡って、いずれ自分の生活や人生に影響を及ぼす存在であることを認識できていない想像力の乏しい方であるといえるでしょう。
優先席をやめて専用車両を作るべき
残念なことにいくら妊婦に冷たい人はおかしい!と批判しても、これらの人の認識を変えることは困難です。
筆者は、優先席を廃止して、専用車両を設けることが解決の一つになるのではないかと考えています。
現在、首都圏の鉄道では、混雑する時間に「女性専用車両」が設定されていますが、同様に、すべての時間で「高齢者・障碍を持つ方・妊婦専用車両」を設けます。
専用車両では、利用できる人の定義も明確化し、高齢者の年齢もはっきりさせます。加えて、病気や障碍を持つ方、妊婦の方と定義し、それ以外は乗ってはいけない車両とします。
優先席は、あくまで優先。一般の方も多く座っています。声をかけるのも憚られる訳ですから、意味をなしていません。専用車両となれば、声をかけるリスクを廃することができますよね。
女性専用車両も様々な問題が指摘されていますが、やはり多くの方が痴漢から避難する手段として利用している現状があります。ならば、命の危険を感じている人を守らないのもおかしな話です。
本来は、「優先席」ですらおかしな話。自発的に席を譲るのが健全な社会というもの。それができないのであれば、徹底的に守る仕組みを作るしかないのではないでしょうか?
コメント