身元調査、身辺調査、入社前調査、リファレンスチェックなど、呼び方は様々ですが、求職者の経歴にうそ偽りがないか、素行に問題がないか。企業側が内定を出す前に行う調査活動のことです。
現在では、個人情報に対する意識の高まりから多くの企業では行っていないと言われていますが、人ひとりを雇用するために多くのコストを費やしています。そのため、現在でもリファレンスチェックと称して、前職の同僚にヒアリングを行ったり、調査会社を利用する企業もあるとか。
厚生労働省の指針では、選考時に配慮すべき項目として身元調査を上げていますが(公正な採用選考について[厚生労働省])、法律で明確に禁止されていないグレーゾーンのため、前職での評判が必ずしも上々とは言えないという方にとっては、気になるところですね。
ネット上の評判が影響することも
R25『転職者の「身辺調査」ウワサの真相』によると、実に3割近い企業が何かしらの対策を実施しているとも言われています。
もちろん、経歴の詐称はしていないという方がほとんどだとは思いますが、中でも注意したのが、人間性や評判に関する情報です。
企業側にとって最も重要なことが、その人を採用した際に、仕事のパフォーマンスが得られるか否かということ。経歴詐称は論外としても、面接の印象はよいが、実際に働き始めてから利益があげられる人物かというか、トラブルを起こしやすい人ではないのかを気にするということです。
特に日本の場合、正社員は法律によりガッチリと守られていますから、仕事で実績があがらなかったとしても簡単にクビにすることができません。そのため、採用担当者にとって候補者の人格や素行も非常に気になるものとなるのです。
ここで、簡単に候補者の素行を調べることができるツールは、インターネット上の『履歴』。つまり、SNSでの発言など、過去の情報です。
こんなポイントに注意する
例えば、Facebookは、原則的に実名での登録が必要なツールです。プライバシーの設定で投稿内容が見られなくすることもできますが、正しく設定しないと投稿内容が丸わかりになることは有名です。ただ、友人のタイムライン上で喧嘩状態に。案外、こんなところから印象を悪くしてしまう場合もあるでしょう。
さらに、SNSのプライバシー設定に気を配っているのにGoogleの検索結果にバッチリ情報が掲載されているという場合があることをご存知でしょうか?
例えば、Twitterを過去に実名で公開していた方は要注意。例え、現在は実名を公開していないとしても、TwilogなどTwitterのプロフィールや投稿内容を「キャッシュ」するサービスがあるのです。これは、ネットサービスを展開する業者がTwitterユーザの情報をキャッシュして、勝手に公開しているものです。Twitterのアカウントを削除してもプロフィールや投稿内容は消えません。
過去に会員制だったサービスが公開されてしまっているというケースもあります。有名なところでは、mixiが2013年11月にコミュニティの投稿内容をインターネットに公開して話題になりました。従来はmixiユーザだけが投稿内容を見られることもあり、一定の匿名性は得られたのですが、この公開により、Googleを検索するだけで丸見えになってしまいます。過去に実名で投稿していた方は要注意です。
やましい活動はしていない!という方でも、私的な書き込みが見られているかもしれないと思えば、あまり気持ちの良いものではありませんね。加えて、会員制のサイトで安心して書き込みをしていたのに、数年の時を経て誰でも見られる状態になっているとしたら・・・。
インターネットは便利なものですが、気を許しすぎてしまい、私生活が垣間見られてしまうような書き込みは避けた方が無難かもしれませんね。