代表的なものでは花粉症。春になると鼻水が止まらなかったり、目が痒くなったり、本当につらい状況になりますよね。
また、アトピー性皮膚炎に悩んでいる方も多いと思います。 これらは、みんなアレルギー反応によるもの。生活改善や、専用の薬で緩和することはできますが、根本的に治すことは難しいのが現状です。
残念ながら、この記事では、アレルギーを根本的に治療する方法はご紹介できません。なぜならば、筆者自身がアレルギーを持ち、30年以上根治できていないからです。
ところが、最近、興味深い情報を仕入れましたので、ご紹介したいと思います。それは、もしかしたら、子供時代に「ある対処」を行えば、将来、子供が成長した時に、アレルギーに苦しむことを避けられるかもしれないからです。
農村で育ったこどもは、アレルギーと無縁!?
実は、先日、NHKスペシャル『病の起源』を見た筆者。そこで、興味深い事例が紹介されていました。それは、農村で育った子供に、アトピー性皮膚炎などのアレルギー反応が発症しにくいというもの。改めて、インターネットで検索をしてみたところ、日経メディカルでも同じような情報が公開されていました。その記事は、『就学前に農村で暮らした子どもは学齢期のアレルギー性鼻炎が7割減』という衝撃的なタイトルです。
なんでも、就学前、つまり赤ちゃん~学校に通い始める前の幼少時期に、農村で暮らしていた子供はアレルギーを発症しにくいことが統統計的に示されたというものです。
さらに調べてみたところ、どうも、農村の中でも家畜がいる農家。そして、子供が日頃から家畜小屋に出入りしていたり、親が家畜小屋で仕事をしている最中に、近くに置かれていることが多かった赤ちゃんが、その後、大人になった時に、アトピーなどのアレルギーに悩まされる割合が低いということらしいのです。
悪いものは早く出会っておいた方がよい
その原理は、エンドトキシンという毒素と関係しているようです。日本語では「内毒素」と呼ぶそうですが、これは細菌が作り出す毒素の一種で、人体に入ると発熱などの悪さをする物質です。
人間にはこれらの毒素と戦うための免疫システムを持っていますが、免疫システムが作られるのは、まさに幼児期なのです。
では、アレルギーとエンドトキシン、そして農家はどう関係しているのでしょうか。
それは、家畜の糞が特に細菌の温床になりやすく、その細菌が作り出したエンドトキシンが大量に空中を浮遊している場所、それが家畜小屋です。そして、そこで長い時間を過ごした幼児は、未成熟な免疫システムが構築される際に、「細菌型免疫」というアレルギーを引き起こしにくい免疫システムになるからだと言われています。
一方、家畜と触れ合わないで過ごした幼児は、「IgE型免疫」が構築されてゆくのだそう。これは、吸血ダニなどの天敵に打ち勝つための免疫ですが、アレルギーになりやすいという特徴をもっているのです。
どちらも、環境に合わせて、人間が進化した結果、作られた仕組みですから、どちらが良くて、どちらが悪いというものでもありませんが、将来、わが子をアレルギーで苦しめたくない!という場合は、早い段階でエンドトキシンに出会っておかなければならないようです。
コメント