ある統計によると、日本人の夫婦のうち夫から何らかの暴力(DV)の被害にあった女性は3人に1人いると言われています。
本来は愛し合っていたハズの二人。なぜ、夫は暴力を振るうようになったのでしょうか?そしてどういう女性がDVの被害に遭いやすいのでしょうか?暴力を振るう夫の心理とDV被害者になりやすい女性の特徴をご紹介したいと思います。
前提!DVは言葉の暴力や威嚇から始まる
暴力を振るう夫の心理を探る前に、どこからがDVなのかを定義したいと思います。
その理由は、DV被害者になる女性は夫から受けている暴力を暴力として認識していないことが多く、「本当の夫は良い人だし」とか「たまたまカッとなっただけ」などと甘く捉えてしまい、夫からのDV被害がエスカレートしてしまうことがあるのです。
中には体中、アザだらけになっても警察に被害届を出さなかったり、被害届を取り下げしてしまう女性すら少なくありません。
これって非常に怖いことですよね。
まず、DVの正しい認識を持っていただきたいのですが、ちょっとした夫婦喧嘩で
・大声で怒鳴る
・モノに当たったり投げたりする
・腕をつかんだりする
これ全部、DVの一種です。
はじめは身体に触れないことが多いのですが、大声で怒鳴ったり、間接的にモノに当たったりと威嚇行動からはじまることが多いです。
このような夫の場合は、将来的に殴る、蹴るなどの身体的な暴力に発展する確率が非常に高いと考えて良いでしょう。
暴力を振るう夫の心理
では、暴力を振るう夫の心理とはどのようなものでしょうか?
暴力を振るう夫の心理の根底は「甘え」です。
例えば、妻に対して母親的な役割を期待していたり、夫の望んだ妻像と実際のあなたの性格や生活習慣の異なる部分を埋めるために無理矢理コントロールしようとするのがDVの典型的な特徴です。
ただし、いくら夫婦といえども完全に同じ性格になるわけではありませんし、100%夫の望み通りの妻を演じられるわけはありませんよね。
これが暴力=DVがエスカレートする切っ掛けになります。
また、一種のイジメのような構図があり、少しでも妻が暴力夫の言うことを聞こうとするものなら逆にDVはエスカレートします。
なぜならば、人間は本質的に序列をつけたがるのものです。これは夫婦関係においても起こることで、少しでも妻が暴力を振るう夫を拒否せずに歩み寄ろうとする態度を示せば、序列的に下と見なし、さらに自分の要求に服従させようとするものです。
これが暴力を振るう夫の心理です。
DV被害者になりやすい女性の特徴
逆にDV被害者になりやすい人の特徴についても考えていきましょう。
分かりやすく言えば、夫から1度でも暴行を受けたら、それはDVです。すぐに警察に被害届を出す人は、まぁそれ以上のDV被害者になることはありません。
例え夫が逮捕されなかったとしても、夫からすれば警察へ相談された段階で、「食えない妻」。つまり、要求をしても無駄な相手であり、逆に精神的に支配したり、コントロールしようとすると大きなしっぺ返しが来ることは分かるからです。
先ほども書きましたが、DVの加害者になる夫のベースのメンタリティは「甘え」です。
妻が甘えられない相手ならば、暴力を振るうこともありません。
逆にDVの被害者になる人の特徴は、この逆で、夫を精神的に甘えさせてしまう人です。裏を返せば、自尊心が低かったり、夫に依存していたり、精神的に自立出来ていない人もDVの被害者になりやすいと言えるでしょう。
1回の暴力でも、暴力は暴力です。
DVの被害にあったら、それこそ警察に相談する。シェルターに避難するなどの具体的な行動をすぐに起こして夫に「No」を突き付けることが大切なのです。
また、暴力まで発展しないまでも夫がモノに当たり出したら「今度、私を威嚇したら離婚するよ!」と明確に、夫の行動が離婚へつながることを伝えるべきです。
実際に離婚するかはその後、じっくり話し合って決めれば良いのですが、最初の段階でNoをつきつけることこそ、DV被害者にならないための秘訣です。
DVを振るう夫は心療内科で治るのか?
ちなみに、DVをする夫は一種の精神的な病気であると考える人も少なくありませんし、実際にそのように説明する専門家もいます。
もし精神的な病気であれば「心療内科」は効果的かもしれませんが、現実はそれほど甘くはありません。
そもそも精神的な発達が未熟だったりする場合は、病気ではないので心療内科では解決できませんし、子供の頃の親から受けた暴力が原因になっている場合は認知行動療法などで解決できると言われていますが、暴力を振るわなくなるまで平均で2年半以上かかると言われています。
また、相手を支配したいという自己愛性人格障害といった病気がDVの原因の場合もあります。
これも現代の精神医学ではすぐに解決が難しい部分なのです。
つまり、夫を心療内科に連れて行ったとしても解決はできません。むしろ、DV被害者であるあなたが心療内科に行くことになるでしょう。
そうなる前に離婚も含めて自治体の相談窓口やカウンセリングなど、第三者に相談しておくことをお勧めします。