人は恋愛をするとき、特に誰かを好きになろうと思って好きになるわけではありません。
ある日突然、「あっ、私、恋しているかも」と気がつく。それが自然の摂理です。何で?って聞かれても「わからない」としか答えられないですよね。
では、なぜ人を好きになるのでしょうか?このメカニズムを掘り下げてみると結構、面白いのではないかな?と思います。
そこで、本日は、なぜ人を好きになるのか?ドーパミンが!とか、腹側被蓋野が云々の話はネットにたくさん出ているので、ちょっと違う角度から迫ってみたいと思います。
私達は分かち合った人達の生き残り
このテーマを考える上で、NHKスペシャル『ヒューマン なぜ人間になれたのか』をご紹介しないわけにはいきません。人間が人間として進化してきた過程を最新の科学を元に描いたヒューマンドキュメンタリーです。
今から6万年前まで人類はアフリカだけに存在し、不毛な大地で狩猟や採集を生業にして生きていたといいます。ドキュメンタリーはアフリカで人類が誕生してからの話になります。
話は貝殻で出来た首飾りから始まります。今でも人間はアクセサリーを好んでつけますね。イヤリングにネックレス。エンゲージリングなど特別な時に贈るものもあります。このアクセサリーのルーツがアフリカにあるというのです。
古代のアフリカは、獰猛な猛獣が溢れかえり、食糧難も大変なものでした。そのような過酷な環境で生きることを余儀なくされていた人類。なぜ、生き抜くことが出来たのでしょうか?
それは、「分かち合うことが出来たからだ」と言われています。つまり、少ない食料を他人に分け与えて、時には助けてもらう。この関係が築けた種族だけが生き残ったというのです。「自分だけ」を優先に考えた人は、一時的に生きることが出来ても、自分が困ったときには助けてもらえず、死に絶えてしまいました。今、生き残っている人間は、「分かち合った」人たちの生き残りだと番組は伝えています。
そして絆が生まれた
分かち合った人たちは、徐々に仲間たちでつながりを深めてゆきます。今で言う家族もその一つでしょう。
仲間と仲間でつながりを示すもの。それが、アクセサリーの存在でした。エンゲージリングもその名残なのです。
ちなみに、当時は仲間内で徳を積んだ人。貢献した人がたくさんアクセサリーを貰える仕組みでした。たくさんアクセサリーを持っている人は、偉い人ということなんですね。
人と人とが分かち合い、そして助け合った、この時代に絆が生まれてそして恋愛のメカニズムが発展していったことは想像に固くないですよね。
ちなみにパートナーのことを気遣い、お節介を焼いてしまうことは、人間以外の他の動物にはできないって知っていました?
人間は他の霊長類と比べて特に難産な生き物なのだそう。出産をスムーズに行うために、普段から家族や仲間と協力できる関係を作って、いざとなった時に助け合うようになっているのです。だから、日頃から相手が困っていると手を貸してしまうお節介な生き物になったんですね。
本当に信頼できる相手かどうかを探るのが恋愛
こんな話もあります。それは、女性がシモネタが嫌いな理由です。
人間の生き物として生きている究極的な目的は子孫繁栄ですよね。でも、のべつ幕なしに男女の関係を結んでいたのでは、子育てができずに絶滅してしまいます。
そこで女性は出産ができるタイミングを分からないようにする作戦に出ました。男性はどの女性と関係を持てば子供を持つことができるのか分からず、とりあえず、自分の好みの女性を見つけて、熱心に貢ぐことで女性から関係を持ってもOKのサインをもらうようにしたのです。男性の前でシモネタ話をすることが苦手な女性が多いのもこれが原因。
女性は女性で、その男性がどのくらい熱心に自分に尽くしてくれるのかを見極めることで、パートナーとして選んでよいのかを確認しました。1日、2日貢いでくれただけではダメで、何ヶ月もサボることなく尽くしてくれる男をパートナーに選んだのですね。
ちなみに、女性が記念日を大切にするのも、これと関係しています。
いくら尽くしてくれていても、パフォーマンスかもしれません。しっかり、自分のことを記憶し、覚えておいてくれる人でないと信頼できませんから、相手がどのくらい自分のことを大切に思っているかの指標にしていたんですね。
恋愛のメカニズムは、つまるところ、相手が本当に信頼できるかどうかをテストするためのメカニズムだったということなのですね。
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