マイナンバー制で来る管理社会の恐怖

マイナンバー制で社会が変わる

いよいよ、マイナンバーが導入されることになりました。この政策により、国民一人一人に一意の番号が割り当てられ、その番号により行政機関に管理されるようになります。

マイナンバーは元来、行政機関が行政サービスの事務処理向上を狙ったものでしたが、ゆくゆくは一般の企業や金融機関でも活用されることが見込まれています。

テレビや新聞などでは反対する論調が多いものの、その理由として「個人情報の漏洩が懸念される」と言われています。

確かに、単なる数字の羅列であるマイナンバーが外部に漏れるだけで個人を特定されてしまう以上、個人情報保護の観点で懸念があることは確かです。しかし、問題はそれだけにとどまるのでしょうか?

税金が上がる?資産の海外逃亡?

マイナンバー制度の最大のメリットは、行政がすべての個人情報を簡単に管理できること。

これまで、名寄せで個人の情報を集めていたものが、番号を打ち込むだけで簡単に総覧することができるようになります。

もちろん、金融資産も行政が容易に把握できるようになるということです。

The Goal『マイナンバー制度の最大のデメリット!金融資産課税の恐怖』によると、行政が簡単に個人の金融資産を把握できるようになることで、例えば、投資などで得た利益を、これまでは分離課税として一律20%だけ税金として収めればよかったものが、将来的に総合課税として他の所得と併せて課税されたり、資産の合計に対して課税されるシステムが導入される可能性もあると説いています。

一見すると、一般的なサラリーマン家庭や堅実に暮らしている庶民には関係のない話に聞こえますが、長期的にみれば問題大アリです。

例えば、昨今、投資家や資産家が活動の拠点を海外に移していることはテレビで報じられるところですが、加速することも想定できます。日本から富が海外へ流失するということです。

富が流出すれば、日本に滞留するお金も減り、庶民に還元されるお金も減ることになるでしょう。なぜならば、銀行に滞留するお金が減るということですから、銀行から企業、そして我々に回るはずであったお金が海外に逃げてしまうことになるからです。

本当に怖いことは、これら富の流失がすぐにマイナンバーと関連付けされて把握することができないことです。気が付いたら貧乏な国になっていた・・・そんな事態のきっかけになる可能性もあるのです。

管理主義の国は息苦しい

朝日新聞デジタル『マイナンバー、夜の街は恐々 ホステス「副業ばれる」』では、マイナンバー制度の導入されることで、夜の街で働く女性たちが働きにくくなることに警鐘を鳴らしています。

もちろん、筆者も不正を容認する訳ではありませんが、訳あって夜の街で働く女性たちの中には、確定申告をできない女性もたくさんいます。

その理由は、水商売で働いていることを本業の会社に気がつかれてしまうから。

本業の会社だけでは生活が成り立たないから、夜の街で働き始めたのに、会社にバレて解雇や不利な立場に追い込まれては、さらに彼女たちを追い込んでしまうことになるでしょう。

日本の国民が全員豊かに暮らせれば全くもって問題はありませんが、すべての人が恵まれている訳ではありません。細々と、社会の波間で生きている人もいるのです。それらの人たちをさらに社会的に生きにくくさせる制度ではないでしょうか?

筆者は、マイナンバー制度が、ともすれば囚人番号の一種であるとしか思えないのです。事務処理を円滑に進めるという名の下に、社会の隅々をすべて管理しようとする試みに他なりません。

政府が、社会の末端の国民にまで、豊かさやセーフティネットを提供できるのであれば、マイナンバー制も悪くはないでしょう。

しかし、社会から溢れてしまった人に救いの手も差し伸べられないまま、路地裏から表通りに引っ張り出して、「さあ、みんな整列して歩くんだ!」と、まるで第二次世界大戦の前の帝国主義的な方法で国民を管理しようとしているとしか思えないのです。

そして、魅力がなくなり、課税だけ厳しい国からは、自由を求めて資産家から国外へ逃げ出してゆく。後に残るのは、豊かさを失った疲弊した国の姿ではないでしょうか?

少し極端かもしれませんが、決して明るい未来を連れてくる制度には見えないのです。