KDDIが『ゆう活』をやるとこうなる。ノー残業よりイイかも

ワークライフバランス

土屋ホームに勤務する葛西紀明さんは、夕方になると、会社の同僚に拍手で見送られながらオフィスを後にする。映画館へ行くためだ。期待の新人、シンカワは英会話へ出かける。みな、まだ太陽が地平線に隠れる前に見事なスキージャンプでオフィスを飛び立つ。ん?スキー?

これ、全部、現在、テレビで放送されている政府の広報CM『ゆう活ジャンプ』の一コマです。

政府によるクールビズ、パワハラ対策、育児休暇の奨励。労働環境の改善キャンペーンも来るところまで来て、ついに「ゆう活」。つまり、夕方早い時間帯に退勤し、アフターファイブを充実させようというところまで来ましたね。

ネットの反応も様々で、どうせ自民党の宣伝でしょ?というものから、歓迎するものまで実に色々な感想が聞かれています。

ワークライフバランスは「ゆう活」だけではない

ちなみに、筆者は、政府の推進する「ゆう活」。非常に良いと思うのです。中々、使われている身として、安い給料で目一杯働いてほしいと考えているであろう経営者層に、「ワークライフバランスを充実させたいから早く帰りたい」とは言えない。そこを親方日の丸様に代弁してもらうことは意味があると思うからです。

しかし、先日、日本経済新聞の記事『KDDI、退社後11時間は「出社NO」 全社員1.4万人対象』で、さらに面白い企業の取り組みが取り上げられました。一度、退勤をしたら翌日出社するまで11時間プライベートな時間に費やさなければいけない。そんな取り組みをはじめた会社があります。大手通信会社のKDDIです。

お客様がいる以上、定時に帰れない

残業するにも様々な理由があります。人手が足りない、明日の有給のために今日は仕事を頑張る。など、例を挙げたらキリがありません。しかし、中でも多い理由として、「お客様の都合に合わせる必要がある」ということではないでしょうか?

一言にお客様と言っても、一般のお客様=コンシューマであったり、取引企業=クライアントなど、相手も業界、業務により異なるでしょう。特に、クライアントを相手に仕事をしている人にとっては、中々自分の都合で労働時間を決められない苦しさがあります。

例えば、最も残業が多いと言われる「広告業界」。これらの会社は、主にクライアント企業を相手に仕事をもらう受託ビジネスです。そのクライアントは、日中、会議や他の業務に忙殺され、夕方になってようやく決まった方針を、「急ぎで」と広告会社に投げてくる訳です。夕方に受注した仕事を急ぎで仕上げるためには夜型の働き方になるのは当然です。

この構図は広告業界に限らず、受託ビジネスを主とする業界にはつきものの話。彼らにとって「ゆう活」は夢のまた夢ではないでしょうか?

KDDIの退勤後11時間出勤禁止の取り組みは、これらの救われない人々に光を当てるものです。つまり、「我々が欲しいものは、アフターファイブなどではなく、休息なのです!」と訴える声に耳を傾けた結果ではないでしょうか?

家事、育児に追われるママさんワーカーのためにも「ゆう活」は必要です。しかし、今の時代、すべての人を一律に幸せにすることは不可能。ならば、KDDIに続けとばかりに、柔軟な働き方を提案する企業が増えることも今の世の中必要です。