映画マニアなら見ておきたい『変わり種』映画はこれ!

不思議な映画

映画は知れば知るほどオシャレでチャーミング。そして時に意外性を与えてくれる総合芸術。まるで、その時代を映し出す鏡のように人々を魅了します。映画好きはもちろんのこと、あまり映画に詳しくないという方も、映画の話題に盛り上がった経験をお持ちのはず。

でも、もし、こんな映画をご存知なら、さらに映画通としてハクが付くこと間違いなし!今宵は映画好きを映画通にする、少しマニアックで、でも、ちょっぴりオシャレで奇妙な映画の世界にご招待します。

90分ワンカット!『エルミタージュ幻想』


2002年、カンヌ映画祭の上映会場は、前代未聞の映画の話題で持ち切りになりました。その名は『エルミタージュ幻想』。
ロシアは西部に位置する町、サンクトペテルブルクに佇むエルミタージュ美術館を舞台に、ある映画監督が、19世紀に活躍した実在の外交官・アストルフ・ド・キュスティーヌ侯爵と謎の声を案内人として、優雅なエルミタージュ美術館の回廊を巡るというもの。回廊や広間では、近代300年の間に生きていたであろう人々が踊ったり、歌ったり、時に駈け寄ったりしてくる。その中を夢うつつに進むと、最後に盛大で豪華な舞踏会が待っている。

まるでロシアの歴史の渦に迷い込んでしまったかのような錯覚を味わわせてくれる秀逸な作品です。

でも、何といってもこの映画の見所は、全編ワンカットということ。普通の映画は、カットバックといって、場面場面でカメラ位置を変えたり、時間を変えたり、様々な編集が加えられて完成するものですが、この映画にはカットバックがありません。最初から最後までノーカット。途中で映像が途切れないので、まるで自分の目で歴史の現場を見ているような、オシャレで世にも珍しい仕上がりになっています。

気持ちも複雑!『BLUE ブルー』


恐らく、知っていても生涯観ないという方が大半ではないでしょうか?その名も『BLUE』。一部には映画と表現して良いのか?という議論にもなった問題作です。その理由は、全編ブルーバックの映像だからです。タイトルの後は、ひたすら青い画面が70分以上続くだけ。1994年にエイズで亡くなったイギリスの映画監督・デレク・ジャーマンの遺作です。彼の詩やメッセージが読み上げられ、落ち着いた音楽の中、ブルーバックの映像に人は何を思うのでしょうか。もしかしたら、この映画は、何かを伝えたいのではなく、一人一人に死や生きることを考えさせるための映画なのかもしれません。

実は、筆者も全編は見ていません。70分間、ブルーバックの映像を観るのは正直しんどい。ところが、Amazonでは2000円以上の価格でDVDが発売されていました。恐らく、この映画で何かを感じたい、考えたいという方もいるということではないでしょうか?

大正ロマン?『夢二』


日本にもありました。大正時代に活躍した画家・竹久夢二を描いた映画『夢二』です。大正時代の浮世絵師と呼ばれた夢二ですが、その映画もまた、夢の中にいるような幻想的な気持ちにさせてくれる映画です。
『ツィゴイネルワイゼン』や『陽炎座』でメガホンをとった鈴木清順監督の渾身の1本。

竹久夢二の生き方をベースに、彼と親交のあった女性たちのつながりを描いた作品で、夢二の世界観に迷い込んだような不思議な感覚にさせてくれます。また、夢二に関わった女性を上手に日本の原風景に溶け込ませ、「あっ日本って改めて日本って女性を美しくしてくれる国なんだな」と実感します。

この世界観は残念ながら文章で表現することは不可能。ぜひ、機会があれば見ていただきたい1本です。